● ヘラルド・トリビューン紙 2008/05/14
バチカンの天文台長、宇宙の”兄弟”の存在の可能性について述べる
バチカン市: バチカン天文台長は、「地球人類よりはるかに進歩しているかもしれない”兄弟”が宇宙に存在すると信じることは、神への信仰とは矛盾しない。」と述べた。
「私の見解では、この可能性は大いにありうることです。」と、バチカン天文台長であるJose
Gabriel Funes師は語った。彼はローマ法王ベネディクト16 世の科学アドバイザーでもあり、他の惑星の生命についても述べている。
「地球以外の惑星のどこかで、そのような生命が高度に発達するという可能性をどうして否定できますか。」バチカン新聞(火曜・水曜版)とのインタビューの中で、彼はこのように語った。
「無数の銀河系、惑星が存在することを考えると、これは大いに可能なことです。」とも述べている。
私たちと似た人間、またはもっと進んだ人間の存在についてたずねられると、彼は、「大いにありうるね。この広い宇宙を考えると、その可能性を否定することはできませんよ。」と語った。
『宇宙人は、わが兄弟』 と題された記事の中で、Funes師は、「そのような宇宙人の存在を信じることは、神への信仰をなんら妨げるものではありません。」と話している。
「地球上にも多様な生き物がいるのと同様に、神によって創造されたもっと知的な存在がいてもおかしくないでしょう。これは私たちの信仰に反することではないのです。というのは、神の創造の自由には限界を設けることはできないからです。」
「なぜ私たちは、”兄弟たる宇宙人”のことを語ってはならないのですか? それも神の創造の一部なのですよ。」
ローマとアリゾナに設置されている天文台を統括しているFunes師は、実際には地球人類こそが宇宙の”迷える子羊”ではないかとの見解を示している。
彼曰く、「創造主と一体となり、迷える子羊にはなっていない宇宙人がいることはありえることです。」
キリスト教徒はしばしば科学者と対立して、聖書を文字通りに解釈するかどうかとか、霊魂創造説対進化論の問題を何十年も論争してきた歴史がある。
宗教裁判所は17世紀にガリレオを有罪とした。地球が太陽の周りを公転すると彼が主張したからだ。そしてローマカトリック教会は、1992年に至るまで、彼の名誉を回復しようとしなかった。
もし科学者がもっと聖書を学び、教会がもっと科学的進歩に立ち遅れないようにするならば、信仰と科学との対話の改善は可能だと、Funes師は語った。
ひとりの天文学者として、宇宙の始まりについての説明は、ビッグバン説が最も適切であると信じていると彼は述べている。つまり、数十億年前に、宇宙は密度の高い物質から生み出されたというあの説のことである。しかし、これは創造主としての神への信仰と矛盾することではないと彼は言う。「神は創造主であり、創造には意味があります。私たちは偶然の寵児ではないのです。」
さらに彼はこう付け加えた。「天文学者として、私は神が宇宙を創造したのだという信念を持ち続けたい。私たちは偶然の産物ではなく、私たちに愛を与えるという計画を持ったよき父の子どもたちなのです。」
2008.5.24 訳:塩津憲雄
出典記事URL
ヘラルドトリビューン
http://www.iht.com/articles/2008/05/14/news/vat.php
編集者雑記
塩津さんからのメールには以下のような感想が述べられていますので、参考までにご紹介しておきます。
バチカンがここまで言ったのは、たぶん初めてではないでしょうか。
背景にはいろいろな状況や戦略があるのかも知れませんが、私はバチカンがこの発表をしてくれたことに素直に喜びたいと思っています。
今の地球の状況を見ると、もう時間はそんなに残っていません。
バチカンもそのような状況を見て、情報のリリースを始めたのだと思います。
中略
特に、ア氏が言ったような私たちにそっくりなブラザーズ、私たちより進歩した他の惑星の人々、原罪を持たない人々(これははっきりと金星人、土星人についての知識があると思われます)について、権威のある人がこれほどはっきりと述べたのは初めてではないでしょうか。
このような記事に関しても、情報操作の一環だという意見もあります。
しかし、私はフューネス氏が聖職者としてというより、むしろ科学者の立場でこの意見を述べていることに価値があると思っています。
記事の中で、彼は宗教と科学の対話の大切さを述べていますが、彼は聖職者として、また科学者として、その対話を彼自身の中で実践しているわけです。
これが、私が彼の発言に価値を見出す理由です。
このニュースはなぜか日本では報道されていませんが、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアのメジャーな新聞では報道されています。
このバチカンの発表を世界のカトリック教徒はどのように受け止めるのか、興味深いですね。
以上
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