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☆ 「コンタクト・ストーリー・・・いろいろ」


2004−07−24、  古山晴久

 

 

(その1)

宇宙人から受け取ったと称する"特別な品物"を公表して世間を騒がす人が時々現れる。  少し古い話だが、アメリカ、ウイスコンシン州で、自宅の庭にUFOが降りてきて乗員とコンタクトした、と言う人物がいた。 彼は宇宙人から特別な使命を授けられ、宇宙人の使者として、地球に存在しているのだと言う。 
その証拠として、宇宙人はこの人物に彼らの星から持ってきた"神聖なる物"を与えたようだ。 意外にもこのストーリーは、たちまち世間に広がり、新聞、ラジオ、テレビなどで大きく報道され、彼はたちまち有名人になってしまった。

この人物は宇宙人から受け取ったという証拠物件の幾つかを私にも見せてくれた。 それらは世間の注目をあびた神聖なる贈り物のいくつかであった。
簡単に説明すると、1つは「派手な色の布」で、サイズは20cmx20cmくらい、2つ目は、「木版」の古い感じの物で、訳のわからぬ記号らしきものが黒く焼かれていた物だった。 あと何個かの小物もあったのだが、印象の薄いものだったのであまり覚えてはいない。

布はコットン(綿製品)のようで、これと同じような色と模様の物をどこかの店で見たような気がしていた。 古い北欧風の模様をほどこした布なのだが、これといって特別でもないように感じたのだ。 また古い木版もエジプトの象形文字のような模様が所々に描かれていた。 この2つの品物を手にとってじっくり見たのだが、何の感動も伝わってはこないのだ。 正直に言うと、宇宙人からの神聖なる贈り物にしては、ちょっとお粗末すぎて、"どうでもいい" と、感じていたのは否定できない。 彼はこの2つの物の説明もくわえたが、 どうしてこんな物に人々が騒ぐのかが私にはとても理解できなかった。 "ちょっと変わった物を見せれば・・・" では、あまりにも甘すぎるのではないか?

私が彼のストーリーに乗ってこないのを知ると、次はUFOの着陸跡が残っているので、それを見せたいと言い出した。 外に出てみると、彼の自宅の庭には3個の丸い跡が、かすかに残っていて、そこの芝生が焦げついて黒くなっていた。 
これも、明らかに人工的のように見えたので何も言う事はなかった。 私には、なぜか丸いフライパンを熱して芝生を焦がしたイメージが浮かんできたのだ・・・ 
その内、ストーリーもだんだん変化してきて、宇宙人は地面には降りず、宙に浮いたままの状態で話しかけた・・・とか言うようになった。 
彼は熱心に事の詳細を説明して、「自分はアダムスキーと同じ宇宙人に会っている・・」と言うのだが、私の印象では彼はすでに "いってるヤツ" でしかなかった。 はっきり言うと、彼の目は心霊がかったアブナイ目をしている人物でもあった。 人間の目というのは以外と正直に今の自分を出してしまうもので、本人の知らない内に心の中が見えてしまう事が多い。

やがて、人々の興味が醒めると、その事件もどこかに忘れ去られてしまったのは言うまでもないが、真実の宇宙人の姿を知らせようとしている者にとって、これはとんでもない妨害になった。 この騒ぎが単なる一人芝居の、とんだ"お騒がせ"だったのか、または彼の背後に誰かがいて彼を操っていたのかは良く知らないが、せっかく心をひらいた大衆に「UFO疑惑」を、植え付けてしまった事は確かである。

(その2)

その他にも、アダムスキー.ストーリーと、よく似た宇宙人会見談がある。 これも古い話で申し訳ないのだが、ひとこと語る必要性を感じたので、ここでとりあげる事にする。

それは1954年頃に、「バック.ネルソン」 という人物がUFOの乗員とコンタクトし、宇宙旅行につれていってもらった・・・というストーリーだ。
このストーリーについては、アダムスキー氏の体験と類似している所が多くあり、少数のアダムスキー支持派に真実として受け入れられてしまったようである。  でも、私のレーダーには、「 NO' 」 と出ていた。  このストーリーには、不審な所が多すぎるように思っていたからだ。  これについて、信頼できる友人の言葉を思い出した。

この体験談を、以前 友人の「J」 とランチ.タイムの話題にした事がある。 彼いわく、「この世界には、ジョージと同じような、ファンタジーを味わいたいと思っている者が大勢いるんだ・・・」、 「だから、もし彼らの誰かが身近でUFOを見たり、また一度でも宇宙人とコンタクトをしようものなら、彼らの心は動揺してしまい、人によっては心霊的になったり、自分を見失って幻想の世界に入りこむ者も多いんだ・・・」、 「生まれて初めて、この世界の物ではない物に直面し、その中から人間が出て来ようものなら、彼らの頭の中は混乱し、夢と現実が区別できなくなってしまうのもうなづける・・・」、 「あの当時だから、UFOに対して全く知識のない者が多くて、彼らには、UFO目撃そのものがすごいショツクだったにちがいない・・・」、 「ストーリーの最初の方は真実であっても、その後はいろいろと着色が加わって作り話になる・・・ジョージ以外のコンタクティーは、ほとんどがそれだよ。」、 「だからせっかく、UFOを近くで見せても、またコンタクトを試みても、それが裏目に出たりする事があるから宇宙人の方も考えてしまう・・・最初の頃は、宇宙人たちも積極的に、少数の地球人を選んでコンタクトを試みた。 しかし、その地球人たちが精神的に、こんなにトラブルとは考えてもいなかったのさ。」、 「つまり、地球人は真実を受けとめるだけの心の用意が、まだ出来ていなかったんだ・・・」
そんな事を、「J」 が語ったのを、今でも覚えている。  

アダムスキー氏が「バック.ネルソン氏」について、回答を避けていたのは、真実と作り話が"ごちゃごちゃ"になったストーリーなので、必要以上に否定的なコメントはしたくはなかったのだろうと思う。  それなら・・という事で、私が一つだけ、おかしな所を指摘すると、それは「神の12の法則」 と言う個所である。  どこかの宗教団体ではないのだから、これは、ちょっと笑い話だ。  "モーゼの十戒" を真似たような法則というのは、あまりにも地球人レベルの内容だと読者は感じるべきだろう。 私の知る限りでは、高度に進化した金星人の社会に、そんな法則は存在しない!!  また必要もない!!  金星には地球の法則のように、一個人を精神的に束縛してしまうようなものが一切なく、彼らは個々の魂を自分なりに自由に表現しながら他の人々と協調して行くだけである。 法則とか規則とかに縛られて生きてゆく生活は地球レベルの人間世界にあてはまるだけで、彼らは一個人の行動に関して誰からも干渉はうけない。 早く言えば、一人一人が "宇宙の創造主の現れ" としての認識を持っている為、本当の意味での"全ての自由"が誰にでもあるのだ。  私の推測では、バック.ネルソン氏には何らかの宇宙人コンタクトの事実と、UFOに同乗した体験があったようだが、その事実を元に話を大きく膨らませ、彼または彼の背後がアダムスキー・ストーリーに近い小説を作り上げてしまったようだ。 つまり、ストーリーの半分くらいは真実に近いようだが、残りの半分は完全に小説として考えていた方がいいだろう。

もう一人、「トゥルーマン.ベスラム氏」 のストーリーもこのタイプで、私がまだ少年の頃、とても楽しく読んだ本だった。 この彼の体験談は1947年で、アダムスキー氏の前に起こったストーリーである。 UFOの目撃と宇宙人とのコンタクトのところまでは本当のようであるが、その後は作り話になってしまった。 後になって、"ちょっとおかしいぞ?・・" と気付くまで、楽しい夢を見させてもらったものだ。 この当時、アダムスキー氏の体験談を真似た、おかしなストーリーが他にもいくつかあった。 中には、アダムスキー攻撃派によって仕組まれた、巧みなコンタクト.ストーリーも存在し、その目的は大衆の目を、「アダムスキー.ストーリー」から、そらす事だけにあったことは間違いない・・・そのくらいアダムスキー氏の存在は、全世界に大きな影響をおよぼしていたのだった。

(その3)

日本でも、そんな事件がいくつかあり、友人の紹介で、あるコンタクティーに会ったことがある。
私は、このコンタクティーの体験談が初めから「おかしい?」と、感じていたのだが、ともかくその人物に会ってみる事にした。
この人物は宇宙人から特殊な金属で出来ている、「リング」をもらった、と言っていた。 
それに関して、私の友人たちはこのリングの感想をとても聞きたがっていたのである。
この日、コンタクティーの彼は、上着のポケットから取り出した「金属のリング」を見せてくれた・・・ごく普通に。
気になっていたのは、彼が私と話す時、なぜかボソボソと下を向いたままで話し、私と一度も目を合わせない事だった。 サルと話をするのではないのだから、私の方を見ても噛みつきやしない。 (彼は、単に内気なのかも知れないが、何故か私を怖がっているようにも見えた。)
問題の金属のリングはと言うと、正直いって私には見ても触っても、ただの金属リングにしか感じ取れなかった。 こんな時、私はなるべく目で見ないで、物から伝わるフィーリングを大事にするのだが、このリングは、ごく普通のアルミ合金製のように思え、これが特別な金属のリングだと言われても、困った。  宇宙人だったら、もうちょっとマシな物を渡すべきではないだろうか・・・? とも思ってしまった。  そこにいた人に、「どう思いますか?」 と聞かれても、まわりには、大勢の人がいたのでストレートな私の感想は避けるしかなかった。 (へたな事言ったら、信者を怒らせて、私がボコボコにされてしまうだけだ。)  だから否定はしないが、肯定もしない・・・私にはそれしか出来なかった。 信じたい人は、信じていればいいんだから、私が何も言う必要はない。  だが、本当の宇宙人だったら、チタンより軽くて、ダイヤモンドより硬い金属のリングでも手渡してやるべきだろうと思う。 UFOの機体と同じような金属なら話は早い・・・しかし、こんな金属では、証拠物件としてはちょっと、説得力に欠けると思ってしまった。

だが、問題は他にもあった。 彼が会見したという宇宙人の名前が、「オーサン」とか「ラーミュ」とかいう、こまった名前である。 ここまでくると、「勘弁してくれよ!」と言いたくなる。 これは単なる "アダムスキー・ストーリー" のパクリ じゃないか! 宇宙人はこんな名前を持ってはいない・・・その名前はアダムスキー氏が彼らに仮につけた名前なんだから、そんな事を言うわけがないのだ。 こんなつまらないストーリーを創作する人物は、やっぱり "いってるヤツ" にしか思えないし、こんなつまらないストーリーを信じる者も、いささか軽率すぎやしないか? と考えてしまった。

この人物は「幻覚症」という病が、ちょっとおもすぎると思うのだが、このタイプの "あぶない人" を使って宇宙人問題をゴチャゴチャにしようとたくらんでいる者達が背後にいる事がよくあるのだ。 それは、一言でいうと「サイレンス.グループ」という者達かも知れないし、単なる遊び心で仕組まれた知人の仕業かも知れない。 また「友好的な宇宙人」たちを妨害する、「非友好的な宇宙人」のグループが、からんでいる時もあるようだ。 

一つ一つ言っていたらきりがない位、"まゆつば者"が、氾濫しているこの世の中・・・  それは今も昔も変わりがない。 単に作り話をして楽しんでいる者もいれば、計画的な犯行を組織的に行う場合もある。 しかし、そのほとんどのストーリーは、アダムスキー氏の体験談を信じている者なら、自分で判断できそうな事ばかりであると思うのだが? でも、人間というものは "新しいものに心が引かれやすい" のも確かだ。 誰にでも「センスマインド」という、不安定な自分が存在しているのは隠せない事実であり、ちょっと心が高ぶると簡単に浮かれてしまう者が以外と多いのは、"自分の中に信じるものがない"・・・からではないか?
その点をはやく克服しないと、目新しい出来事があるごとに、右に行ったり、左に行ったりする、迷い子のような自分からいつまでも脱け出せないままでいるだろう。 頑固で石頭でもいいから、努めて自分を信じて行く事をしないと、いつかまた"まゆつば者"のいう言葉に心を奪われて、真実とはほど遠い"偽りの会見談"を信じてしまうだろう・・・


私の体験から確実に言える事がある・・・それは次のような事だ。

「私の知っている宇宙人たちは、実体のある、ごく普通の人間である。  我々と同じように、笑いも涙もある温かいハートを持っている人間なのである。  そして彼らのほとんどは、この地球より何万年も進化した惑星社会(複数)から来ていて、彼らは我々がいつかたどり着く、高いレベルの、"精神的進化"に到達している、すばらしい魂をもった愛すべき人々である・・・」 ということだ。

 


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