UFO_STATION_LOGO.GIF

 

「レース・トラックの謎?」

2004−05−31、 古山晴久

 


 California州 「Death Valley 国立公園」の片隅に、「The Racetrack」(レース・トラック)という名前の場所がある。 しかし、この辺ぴな所を訪れる人はめったになく、大半の人がここの存在すら知らないことが多い。 いや。。知ったとしても、行こうと思う人は少ない。 なぜなら、そこへ行くには車高のある4WDの車が必要になるし、雨の度にずたずたになってしまう道を突き進むしかないので、けっこう大変なのである。 私の友人の一人も道の悪さにおじけずいて引き返してきたくらい、この道はとんでもない悪路なのだ。 油断をしたら車が完全にダメになり、帰って来れない恐れもある。。。 これは決して大げさな話ではなく、いつでもその可能性のある所なのだから怖い。 また、そこは携帯電話なども全く届かない所でもある。

 一般車でたどり着ける地点から、4WDに変えて慎重に悪路を上がって行くこと1時間半。。。その昔、大きな湖だったと思われる乾いた真っ平らな白い大地が遠くに見えてくる。
 いつごろから水がないのかは知らないが、今は白い湖底をむき出しにしているここレース・トラック。。。

 それだけなら、別になんでもない所なのだが、実は、ここは世にも不思議な現象が発生する所なのである。 別に、この場所が「UFOの多発地帯」。。という訳ではない。。。  
 でもそこに立って、乾いた湖底の地面に目を向けると、「あっ!」と驚いてしまう物がある。。。  
 しかし、それは「ミステリーサークル」でもない。。。 
 また、「不思議なカエル」が、ぴょんぴょん跳ね回っている。。。という訳でもない。。。  
 実は、ある物が動いて出来た不思議な跡が、地表にはっきりと残されている所なのだ。 なぜこの名前がついたのかは誰にも聞いたことがないが、もしかすると、この不思議な現象に由縁があるのかもしれない。


湖底にしるされた模様

 それは、氷の上でアイススケートをしているかのように右や左に曲がり、そして180度のUターンもする。 まあ、写真を見てもらわない事には理解しにくいとは思うのだが、とにかく不思議な模様というか、跡というか。。。そんな物が湖底に残されているのだ。  
 いったい、これは誰のしわざなのか。。。?  
 答えは、そこにある「動く石」なのだ。。。  そうなのである! 「石」が勝手に動いて作った模様なのである。  人間に断りもなしに、石が勝手に動くのは、はなはだ困った行動なのであるが、これを止めることは誰にも出来ないだろうから、この際、「石頭たちのしわざ」。。。と言う事で目をつぶるしかない。

 まるで、1つ1つの石が自分の意志を持っているかのように、あっち行ったり、こっち行ったり。。。ともかく、彼らの動いた後の面白い模様がとてもユニークに地表に残されている場所がここレース・トラックという所だ。 しかし、そこの湖底にある全ての石が動いている。。。という訳ではない。  なぜ、動く石と、動かない石があるのか?  「その理由は磁気にちがいない!」 「きっと磁気をおびている石だけが動くはず!」 と、たやすく答えを出した私だったのだが、予想は大ハズレ! まったく、そのような事はなかった。。。  「これでもか!これでもか!」と、しつこくコンパスを近づけてみても、コンパスの針はどの石にも反応しない。 「あれ? れれれ?。。。こんなはずでは」 だった。


動く石の謎!

 「なぜ石が、こんな動きをするのか?」という説は今までにいろいろ出ているのだが全てが推測であり、実際に石が動いているところを目撃した人は現在まで誰もいないということなのである。 残念ながら、目撃者が誰もいないので、この不思議な現象の解明は今だに謎。。。というのが現状らしい。

 私はこの場所に3回ほど足を運んで写真撮影をしているが、幸いな事に石たちはおとなしく静止したままだった。 湖底を歩いている時に、突然すごいスピードで石が飛んで来たら、命が危ない。。。 
 10cmくらいの小さい石もあれば、50cmほどの重い石も発見した。 

 その、動いている石を見つけるためには、ただひたすら湖底をジグザグに歩いて探すしかない。 あまりにも広すぎて「動く石」を見つけるのは一苦労だ。 今までに見つけた物は、みな一番奥の方だったので、直線で歩いても30分はかかる距離だった。 
 だから、動く石さがしは、とてもいい運動になる。。。そして、これを見つけた時はとても感動する。
 「いったい、何なんだ。。。これは!」 と、この石たちが描いた模様にびっくしてしまった私であった。

 以前、私の友人Dr.Xが私の店に飾ってあった写真にきずいて、レース・トラックの事を語りだした。 

 「だいぶ前の事だが、私のチームはここを調査しにいった事があるんだよ。 その時は私とスタッフ 7,8人で、1ヶ月ほど24時間体制の調査を続けたんだが、残念ながら石が動く様子を記録することは出来なかった。 
 定説では、冬の寒い時期に雨が降り、湖底に薄い氷が張り、その時たまたま強風が吹くような事があると、その瞬間に石が動くのではないか? と言われているけれど、私はそうではないように思うんだ。 実は、私たちのチームはここの地表に高周波振動が出現する事を記録したんだ。 だから、私はこの高周波振動の影響で、石が一瞬の内に動いてしまうのではないだろうか? と考えているんだ。 そうでないと、こんな風に曲がった不思議な模様にはならないだろうな。。。」

 いや、ちょっと待てよ。。。NASAの科学者たちが、「動く石」だけの事でわざわざレース・トラックまで調査に行くのだろうか? 
 特にDr.Xの率いるチームゆえに、「何かUFOでも関係していたのでは?」 と考えたとしても、単なる私の思い過ぎではないだろう。。。
 もしかすると、レース・トラックの湖底には何か特別な秘密が隠されているのかもしれない。。。

 動く石の謎!。。。ますます深まるばかりだ。


TOP